パーソンズニュース
最短1年間(通常は2年)で学位取得が可能なパーソンズAASプログラムが、SUNYのファッション工科大学(FIT)やプラット・インスティテュートなどの他のデザインスクールのアソシエイトプログラムと決定的に違う点は、パーソンズでは4年制大学卒業者(学士保持者)を募集対象にしているところです。海外留学でアートやデザインを学ぶ上でクラスメイトから受ける影響というのは、ある意味教授一人の影響よりも大きいと言えるでしょう。パーソンズAASプログラムが4年制大学卒業者や社会人経験者をその主な募集対象にしているのは、授業のレベルを高く保つためであり(パーソンズでは学部と大学院の中間的なレベル)、また多くの受講生がデザイン以外の様々な分野で既にプロフェッショナルであり、デザインやファッション業界への転職という同じ目標に向かってお互いに良い影響を与え合う環境を作りたいという意図があります。
今回ご紹介するグラフィックデザイン専攻で卒業されたスウェーデン出身のイングリットさんも以前の会社ではPRを担当しており、その経験を活かして現在はブルックリンでフラワーアレンジメントのスタジオを設立して、母国スウェーデンではテレビ出演や本の出版などグラフィックデザインの枠を飛び越えて活躍されています。
グラフィックデザインとフラワーアレンジメント、何の繋がりもなさそうですが、彼女はどのようにそれらを繋げていったのか?など成功のきっかけを恩師でもあるKatarzyna Gruda教授が伺っています。
以下、パーソンズAASグラフィックデザイン学科のProcess & Skillsブログより記事の和訳になります。NK
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A Career Grows in Brooklyn | Ingrid Carozzi | AAS GD 2007 |
今回、Ingrid Carozziさんの新しい書籍「Brooklyn Flowers」の出版をお知らせできることにとても嬉しく思います。スウェーデンの大手出版社の一つMassolit Forlagがプロデュース、3月5日にリリースされました。Tin Can Studiosで培われたシンプルなフラワーアレンジメント方法などを紹介するヴィジュアルも美しいテキストブックです。Tin Can Studiosの様子やスタジオ近所のブルックリンのストリートスナップなども紹介しています。素晴しい写真の数々は全て、著名なハッセルブラッド(プロ写真家の御用達カメラ)の使い手、Paul Brissman氏が撮影、そして共著者には、Elle DecorやGourmetなどの様々なパブリケーションに寄稿するEva Nyqvist氏。ニューヨーカーに とっては残念ですが、スウェーデンのみで発売していて、現在ドイツ語に翻訳中。もうすでに2~3の新しい本の話しも上がっているそうです。
Conversation with Ingrid Carozzi
パーソンズを卒業してからずっと走り続けてきたIngrid Carozziさんは、現在もその勢いが衰えることはありません。ブルックリンを拠点とする彼女のフラワーデザインスタジオ(出身地のストックホルムで2つ目のスタジオをオープン予定)には、既に来年までの仕事がぎっしり。2016年の彼女の予定は、テレビ出演、エグゼクティブ・ウィメンズ・カンファレンス、スウェーデン最大のオークションハウスでのイベントなどが入っています。クライアントには、スウェーデンの一流企業が名を連ねます。
Ingridさんの成功はパーソンズのおかげだと感じています。「パーソンズ無しに、今の私は無いわ。」、「コミュニケーションスキルや攻撃的にならずに他の人の作品を批評する方法を学びました。これはビジネスを展開する上でとても役に立ちました。沢山の才能あるフリーランサーが喜んで力を貸してくれます。」パーソンズでのトレーニングが、フワラーデザイナーとしてとても大切な、彼女の鋭い色彩感覚を養いました。「Kelli Glancey教授の素晴しいカラー理論コースを受講して、色相、明度、彩度などの色の特性を理解しました。」
また、私のProcess and Skillsクラスを通して、彼女は高いレベルの写真撮影スキルを身につけ、そしてそれを彼女自身のセールスやマーケティングに役立てています。「世界一美しいフラワーアレンジメントができたとしても、あなたがその美しさを捉えることができなければ、どれほど良いフワラーデザイナーであっても関係ない。」、「あなた自身をどうブランディングするかを知ることが大切。」とIngridさんは言う。「私の成功はグラフィックデザインの経験があったからだと思います。自分のビジネス立ち上げ時には、自らデザインやウェブサイト構築から更新までできることがとても役立ちました。また、PRとして働いていたので、自分自身をマーケットする方法は良く知っていました。 それらを気付かせてくれたのがパーソンズでした。本当に世界のトップデザインスクールの一つだと思っています。」
パーソンズ卒業後、Ingridさんは沢山のフリーランスの仕事をこなしていた。そして、ある時スウェーデン商工会議所(SACC)の前同僚から、人生の分岐点となった仕事の依頼が舞い込む。「スウェーデン国王と王女が出席するマンダリン・ホテルで行われたロイヤルグリーンアワード夕食会のフワラーアレンジメントのアイデアをいくつか出して欲しいとSACCから依頼されたのです。」当時彼女はビジネスカードのデザインやRecycled Brooklynという古材を再利用する会社のブランディングなどを手がけていました。沢山の農作業用の木箱の仕入先を知っていた彼女は、フワラーアレンジメントの花器としてそれを使うアイデアを思いつく。そして運命の日、そのフワラーアレンジメントを初めて提案した時、夕食会の料理長が偶然にも彼女のフラワーデザインにマッチするメニューを作っていることを知りました。Ingridさんには事前に知らされていなかったのですが、メニューにあるいくつかの食材も同じものを使っていたのです。 「当時はデザイナーだと思っていましたし、フローリストではなかったので躊躇しましたが、チャレンジしないという選択肢はありませんでした。その後、これが本当に自分が好きなことだと気付いたんです。」とIngridさんは言う。「仕事を受けてすぐに、これが本当に私のするべき道だったと感じて1年後にはTin Can Studiosを立ち上げました。」
Press(プレス紹介記事)
ニューヨーク市近辺の農家からダリアやアネモネを仕入れているIngrid Carozzi氏は、彼女のハイコントラストなブーケをまとめるためにラナンキュラスなどの「ブレンダー」フラワーを使ってワイルドにそして自由にアレンジしている。そのブーケを入れる花器は、ブルックリンのDead Horse Bayで見つけたビンテージ計量カップ、試験官、ワインボトルなどを使う。彼女の主な仕事はウェディングや会社イベント(コアントローやザ ピエール ア タージ ホテルがクライアント)だが、デスクやディナーテーブルのアクセントになるフラワーアレンジメントの注文も受付けている。南ブルックリンの全ての注文は自転車で配達される。
ブルックリンのレッドフックを拠点にするTin Can StudiosのIngrid Carozziさんは、アップサイクルを得意としています。スウェーデン出身の彼女は最近「Brooklyn Flowers」という本を出版。彼女が手がけたいくつかのウェディングプロジェクトでは、クライアントの私物を花器として使用。「私物にはその人のキャラクターや歴史が詰まっているから」、とワインボトルや空き缶などのありふれたものから、自ら古材を使って木箱を作ったり、埋立地から空き瓶を掘り起こしては花器にしてしまうフローリストは言う。それは責任感からでもあり、美しさを感じるからでもある。「古いものが持つ寂びが新しくフレッシュで生き生きしたお花と一緒になった時のコントラストが好きなんです。」ウェディングの仕事では、式が終わる頃に飾っていたフラワーアレンジメントをばらして、小さいブーケにリアレンジして、ゲストへの手土産にするサービスも行っている。「ウェディングの一欠片をゲストへのプレゼント、素晴しい思い出になりますね。」
TV(テレビ出演)
インタビュー&編集: Katarzyna Gruda
ゲストエディター: Certainly Studio
写真: Paul Brissman, Ingrid Carozzi & Katarzyna Gruda
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